家づくりコラム

工事・現場技術

坪単価について(1)

『坪単価』

本来、坪(3.3平方m)あたりの工事金額の目安的なものに使われています。
しかし最近はもっぱら、「安さ」をアピールする指標にされてきている単語です。

しかし安いから得か、それとも損か、といったらこんな数字じゃあ判るわけありません。そもそも広告の坪単価で家が新築出来るわけ、無いですからね。

その理由について、説明していきます。

坪単価で家が建たない理由

坪単価の広告

こういった広告は、

「なんて安いの!?」と、確かに目にとまります。

40坪の家なら 40(坪)x25.8万(円)=1032万!! 

その理由は、車に例えてみればよくわかります。

A社の5人乗り乗用車は200万円(1人当たり40万円)
B社の5人乗り乗用車は250万円(1人当たり50万円)

あなたはA社とB社、どちらを選びますか?1人当たりの価格が安いほうのA社にしますか?但し、以下のような条件かもしれないということです。

A社:オーディオ無し、エアコン無し、なにも無し。走行距離10万Kmで故障だらけ・・・
B社:カーナビ付、本革シート付、その他いっぱい付き。20万Km走行でも問題なし!

 

ハウスメーカーの中には、坪単価を下げる為に必要なものまで「別途工事」にする、というのもあるようです。

家を建てるための「足場工事」でさえ家本体部分の工事じゃないから、って事にして「別途工事」にしてしまい、坪単価を下げる、といった例まであるくらいです。

足場工事

写真:足場工事の様子。これが無いと、職人さん達が仕事になりません。

・・・つまり、家を作れないって事です。

カタログに載っているような価格で、実際に住み始められるのかどうか、家を建てる以外にかかる金額(家電・税金・登記費用他)は、一体どれくらいなのか。

生活に必要なもの

家具や家電・照明も生活の為にはもちろん必要。

カーテンやベッドがないと、せっかくの新しい家で眠ることもできません。

それらを踏まえて計画して、初めてあなたがほしいと思った家の坪単価が見えてきます。

以下、チェック項目として上がっているのは、各メーカーが坪単価以外の工事(別途工事費)として考えている場合が多い項目です。

その他諸費用(税金等)についても明記しておきますので、新築の際には参考にして下さい。

別途工事費項目

  1. 1.既存建物解体費
  2. ・・・古い建物は、解体しないと新しい家が建てられません。ただし、家の施工業者と別業者が入ると、工程調整等で問題が発生しやすくなります。
  3. 2.地盤改良工事費
  4. ・・・軟弱地盤の場合、その強度を高める費用です。調査の結果によっては、予想以上に予算がかさむ場合があります。
  5.  
  6. 3.外溝工事費
  7. ・・・門扉や塀、植栽やカーポートなどがこれにあたります。
    車庫

    キレイな家の外回りを彩る車庫や植栽、フェンス等。

    通常、別途工事になっています。

  8. 4.照明器具工事
  9. ・・・電気配線は工事内ですが、肝心の光る器具部は別の場合が多いです。
  10. 5.カーテン・家具工事
  11. ・・・家電(TVや冷蔵庫)も必要ですね。
  12. 6.エアコン・暖房などの空調工事費
  13. ・・・床暖房、24時間換気も工事外の場合が多いです。
  14. 7.屋外電気工事費
  15. ・・・敷地外の電線と建物を繋ぐ工事です。これがないと電気がきません。
  16. 8.給排水引き込み工事
  17. ・・・7.と同じく、排水や水道の引き込みがこれにあたります。
  18. 9.設計費用
  19. ・・・設計事務所ならば、工事費の10%程度の金額がかかります。既成のパターン図面を持ち、作図に手間のかからない大手メーカーさんでは、この項目はサービスする、というのが最近多いようです。
  20. 10.引越し、仮住まい費用
  21. ・・・建替えであれば引越し2回分、それに仮住まいの家賃がかかります。
  22. 11.その他
  23. ・・・敷地等の状況や季節、気候によって、それに応じた工事費用が発生します。

※以上の項目以外にも、「決まり」はこれといってない為、メーカーさんによって別途工事とする項目があるかもしれません。こればかりはメーカーによって千差万別のようです。

 

その他諸費用(申請、現場、税金等)

  1. 1.建築確認各申請料
  2. ・・・確認申請、(※場合によって)中間検査、完了検査の各費用が必要。
  3. 2.地鎮祭、上棟式費用
  4. ・・・神主や、大工の棟梁に支払う祝儀等は、通常施主負担です。
    地鎮祭の様子

    上棟式

  5. 3.建物登記費用
  6. ・・・完成時に土地家屋調査士に依頼します。
  7. 4.各種税金
  8. ・・・印紙税、登録免許税、不動産取得税、固定資産税、消費税(5%)。 

トータル金額の算出は、一般の方ではそこまでは難しいかもしれません。しかし、親切なメーカーさんであれば、概算程度は計算し、教えてくれることくらいはしてくれるはずです。

ここでまとめてみます

家にかかる金額というものは、『坪単価○○万』なんて安易な数字で表わせる訳はなく、新居を考えている家族の数だけ、異なる金額になる筈。

「安い坪単価のハウスメーカーはどこだ!?」

といったポイントだけで探すのは大変危険です。大体いくら安いからといったって、35年ローンで10年ごとに改修しないと住めなくなるようなハリボテをつかまされたりしたら、どうしますか?

専門家による適切な工事、要望がきちんと盛り込まれたあなたの為の図面、そして明確にされた価格、それらをトータルした、あなたの家を建てるための総予算の算出。

これをすべて見比べることが出来ないのであれば、穴だらけのドンブリ勘定のような坪単価の比較がかえって無意味なこと、ご理解いただけましたでしょうか?

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