家づくりコラム

自然と環境

聖地巡礼

最近、うれしいことに映画やドラマ、マンガでも富山が舞台となることが増えています。
 
 
地元人であれば、舞台となった身近な建物とか施設をあらためて見つめ直せる機会でもあり、こういうロケ地を見て回ることを「聖地巡礼」というそうです。
 

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おおかみこどもの雨と雪

(2012)

上市町のある古民家。

主人公「花」の家の舞台に使われました。

 

映画で取り上げられるような木造建物には、日本のように温暖湿潤な(あたたかく、雨の多い)土地で、どうやって木の家を長持ちさせるか、そして決して快適なだけではない四季の移ろいを、いかに美意識として味わえるか、という伝統的な知恵が詰まっています。
 
 
軒を深くして雨に濡れないよう外壁を守り、湿気で腐りやすい床下は大きく解放し風通し良く、壁は湿度を調節してくれる泥を塗る。
参考→「軒の出について
 
 
土間や坪庭に通り庭、軒下に縁側、仕掛けとして暖簾にすだれ、格子や障子に欄間などといった物も含め、自然を家の中へ自在に取り入れつつ、いつでも排除できるような建具を配置する。
(2009年)

 

富山市の文化財「浮田家」。

映画中では、いまは無き「立山温泉」の舞台として撮影されました。

 
そして木や土、石などの自然の素材がそれぞれ摂理に見合った使い方がされ、時にダイナミックに、また時に繊細に造形美を演出し、しかも素材そのものが持つ質感の美しさによって、温かみのあるすがすがしい空間を構成する。
 
 
そのすべてが、生活に豊かさを感じとれるように、といった配慮から成り立っています。

 

 

 
これらのものは百年、二百年といった長い時間を経ても、飽きられたり、価値を失うものでは無いため、文化財に指定されたり、有志で修繕したりと大切に守られてきました。
 
 
生活文化の中で、自然に対して日本人が謙虚に、丁寧に周りの自然と付き合い、必死ながらもゆったりとした時間の中で生きていた頃に造られた建物。
 
 
ここには、自分たちが忘れてしまった物、再び思い出さなければならないものが、タイムカプセルのように詰まっています。
 
 
日、最も便利で最新鋭なはずの現代文明が、様々な面で行き詰まりを見せています。
 
 
映画で紹介された建物を見学しつつ考えるべきは、昔の建物ってのはどうだったか、日本人の生き方ってどうだったのか、そしてこれからはどうあるべきなのか。
 
 
そういったルーツを考えつつ、県内「聖地巡礼の旅」ってのも面白いかもしれません。

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