家づくりコラム

空間設計・間取り

☆玄関編☆

玄関は、ただの「通り過ぎる場所」として簡単に考えてしまうと大変なことになります。

富山の地元の人は「雪かきの様子で、家の中がわかる」といいます。

同じように玄関も、「住まいの顔」と言われるように、玄関扉を開けて最初に見える光景でその家全体のイメージが決まってしまう、と考えて良いでしょう。

イメージ写真   玄関先施工例。

お客さんだけでなく、家族の皆も帰ってくるのが楽しみになる玄関。よい間取りを作る際の注意ポイントとして、覚えておいて下さい。

玄関の機能

玄関は、外へ持ち出す為の品物を、あふれるほど大量に置かなければならない重要な場所です。今のあなたの住まいを想像してみてください。さて、何が置いてあるでしょうか。

 ちらかった玄関  あるお宅の散らかった玄関。

下駄箱、家族の靴、スキー、ゴルフバッグ、傘たて、スリッパ、靴べら、ほうきに塵取り、都会なら自転車、帽子掛けには、杖やカッパ、帽子等々・・・。(見た目に何も無いのなら、かなりの優等生です)

家族が多いのなら、さらに上に書いた品物 x 人数分となり、そこには足の踏み場もなくなります。モノが多いから掃除も手間がかかり年に数回程度、ホコリも溜まり放題・・・

 ペット

ペットも家族の一員。

 

ちなみに大型犬なら、写真の米俵みたいなエサを一月でペロリ。

 

エサ置き場も必要。

・・・と、玄関はまるで、生活感を感じるものの展示場のようです。玄関ドアを開けるのが嫌になりますね。

余談なのですが、玄関に負い目を感じていると、無意識にお客さんを敬遠しがちになり、友人・知人との交流も希薄になるといった、さらなるデメリットも考えられます。

こうならないように、しっかり考えて作るべきです。

収(おさ)めて初めて「第一接客場所」

まず、玄関は家の内部と外の世界をつなぐ接点となる場所です。一番に目がつきます。そこを使うのは家族ばかりでなく、訪問客も使う簡易式の「接客場所」と考えましょう。

そんな場所に、あふれるくらいの生活感があるのは、考えただけでゾッとしませんでしょうか。玄関に置く品物がきちんと収まるように、必ず大きめの収納を確保する間取りを作りましょう。

きれいに収まっているから、掃除が簡単で、ドアを開けるのが楽しくなり、帰るのが楽しくなるから、お客さんにも見てほしい、接客したくなる玄関になるのです。

図面 

階段下を玄関収納とし利用した例。

薪ストーブに隣接しているので、乾燥室みたいになることも期待できます。

シュミレーション

家族の形態は多種多様、さらに生活スタイルは千差万別。家族形状によって同じハズがなく、異なるのは当然です。よって設計は、使う家族にあわせたオーダーメイドとなります。

家は専門家が設計しますが、使い方が他の室に比べて住む人の個性が出やすく、実際の住む人でないとわかりにくいのも、多数の機能が必要とされる玄関の特徴と言えるでしょう。

そこでやってみてほしいのが、玄関をどのように使うかのシュミレーション(仮想生活)です。家族全員の出勤・帰宅時間、趣味の有無、来客のあった場合・・・等々。

夜遅く帰って、玄関の鍵をあけてから電気をつけ靴を脱ぎリビングに入るまで、どこに触れてどこを通り、どこにモノをしまうのか。玄関は接客場所なので、散らかすのは禁止です。

日ごろ家族が日常玄関で行うことについて紙に書き出し、実際に家族が使うことを想定し、頭の中で実際に使ってみて(シュミレーション)下さい。

するとだんだんそれが頭のなかで現実化し始め、不都合な場所に気がつき始めてきます。

忘れないうちに紙に書き留めて下さい。

 リスト

こんなふうに書き出して見てください。

想像以上に多くのものが玄関で使用されています。

まだまだ続きます。次にそれらについて、春夏秋冬、5年〜10年後。時間軸をずらして、同じように検討してみてください。

吹雪の夜、雪まみれで帰ってコートをどうするのか、除雪の道具はどこにおいておこうか、一戸建てなら大型犬を飼いたいが、ドッグフードはどこに置くか、同居する両親が年老いた場合、スロープが玄関にあったほうがよいのか・・・。どんどん書いてください。

設計する前なら、図面直しの手間も省けますが、無理なら第一回目の設計図ができたあとでも構いません。頭の中なら住んでみるのは無料です。

書きとめた内容についての改善方法を、設計者に考えてもらいます。

 イメージ写真

畳3畳ほどの収納が、玄関に隣接した例。

7人家族ですが、天井までの大容量収納でカバーします。

ポスト口も収納にあると、旅行した際にも新聞紙等が散らかりません。

あなたが紙に書いたことで問題が具体的になっている分、プロの設計者ならばお客様の要望に対しさらなる「再提案」といったカタチで、期待に応えてくれることでしょう。

玄関 

上部にガラスをはめて、ポーチとの連続性をもたせた玄関。

床や壁、天井に同素材を用いて、視線が外に抜け、広く見せる工夫を持たせてあります。

何もないからこそ、魅せる工夫が引立ちます。

こうやって出来たキレイな玄関を、今度は自分でキレイに飾りつけて下さい。これからの玄関の仕事は、片付けではなく、飾り付けなのです。

生け花やクリスマスリース、こだわりの小物や四季折々の装飾などなど・・・。さあ、今度は何を飾ろうかな・・・なんて考えるのは、なんだか夢みたいじゃありませんかね?

 

下駄箱の下に白い砂利を敷き、照明でライトアップ。

かわいい小物があるの、わかりますか?

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