「珪藻土」のほんとうの話 - フォルムゼノマ

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暮らすを考える知恵袋

2021.03.09 住みよさと設計のヒケツ

「珪藻土」のほんとうの話

こんにちは、営業担当の水野です!

最近の健康志向の高まりから、「自然素材を使いたい」というお客さまも少なくありません。
今日のテーマである「珪藻土」も、人気の自然素材として注目を集めています。
住宅会社の中には、「内装材に珪藻土を使っている」というのを売りにしているところもあります。

珪藻土の特徴には、次のようなものがあります。
●吸放湿性がある
●耐火性がある
●シックハウス防止に効く
●健康によい
など…。

他の素材と比べても、珪藻土の吸放湿性能は高いので、それを壁に塗ることにより室内環境が改善することは確かです。
珪藻土は、太古のプランクトン(珪藻)の遺骸が堆積してできたもの。
石灰化した粒子の表面に無数の孔が空いていることで、水分や油分を大量に保持する性質があり、高い吸放湿性を誇ります。
北陸では、能登が珪藻土の一大産地。
昔から、七輪などにも使われている身近な素材で、最近はバスマットやコースターといったおしゃれな商品も発売されていますね。

ここでひとつ疑問を呈するとしたら、「実際に内装建材として売られている『珪藻土建材』に、どれほどの吸放湿性能があるのか?」ということです。
混ぜ物のない珪藻土であれば、高い吸放湿性が期待できますが、市販の珪藻土のほとんどは、せっかくの珪藻土の吸放湿性質を妨害してしまう「合成樹脂」が混ぜられています。
その理由は、珪藻土には固まる性質がないため、接着剤の役割をする「合成樹脂」を混ぜて固めているのです。
残念ながら、市販の珪藻土建材に含まれる珪藻土の割合については、明確に示しているメーカーはあまりありません。
ある建材メーカーの調査によると、各社製品の混入率は21%~57%までと書いてあります。
珪藻土建材といっても、内容にかなりの差があるということです。

そんな話をすると、「安全性は大丈夫?」とのお声が聞こえてきそうですね。
珪藻土自体は腐らないのですが、洗面所の壁などで使用された場合、多量の湿気を吸いこんでカビが生える可能性はあります。
そこで、珪藻土建材には、防カビ材が配合されているものがあります。
お子さまが小さい場合、壁を触った手を舐めことも考えられますし、薬剤の安全性も気になるところです。
それでもやっぱり、珪藻土の調湿効果や土壁のような仕上げの質感には、とても魅力を感じると思います。
家づくりで珪藻土を使う場合は、「珪藻土なら安心」ではなく、「使って安心安全な珪藻土を選ぶ」品質の見極めも重要ですね!

本物の珪藻土を塗る場合、一般的な珪藻土建材とは違い、産出した地層によって色合いも異なれば、粒子の細かさも異なるので、決して均一ではありません。
しかし、温かな質感や経年変化で醸し出される柔らかさは、天然素材にしか出せません。
ぜひ一度、みなさまにも見ていただきたい手仕事のひとつです。
ご興味のある方は、弊社ショールームまでお気軽にお問い合わせください♪