暮らすを考える知恵袋
2021.09.28 住みよさと設計のヒケツ
基礎の役割とは?
こんにちは、営業担当の水野です!
地球には「引力」があり、重い物にも軽いものにも等しく「重力」がかかっていることはご存じかと思います。
人に例えると、体重は足に伝わり地面へと流れています。
もちろん家でも、これと同じことが起こっています。
家の場合は、建物本体・家具・住んでいる人、さらに冬は積雪量も含めた荷重を「基礎」という“足”で踏ん張り支えて、固い地面の上にそーっと載せてあるといったイメージです。
狭い建物面積の中に集中している荷重は、なんと数10トン!
そんな巨大な荷重を、均一なバランスで地面に伝えるのが“基礎の使命”です。
もしも、この足(基礎)が丈夫でなく、バランスが崩れてしまったら…。
いずれは体が傾き(床が斜めになり)、杖をつき(建具の建てつけが悪くなり)、歯が抜けて(隙間だらけで冷暖房が効かない)…という事になってしまいます。
高気密、高断熱など家の性能はあっという間に失われ、家本来の「生活や財産を守る」といった基本的性能の維持すらできなくなります。
そこで、基礎については、住む人を守るための最低限必要とされる基準が法律によって定められています。
ただし、木造住宅の場合は、構造計算等の義務付けがされておらず、「最低基準形状の基礎が建物本体の荷重を支えきれているかどうか」を行政はチェックしていません。
ですから、専門家が、地盤や条件に伴う構造計算をしっかりと行い、綿密な基礎設計をするべきなのです。
一般的に採用されている「べた基礎」も、地盤調査や構造計算をしてみると他の種別の基礎よりも過小評価になることが実際ありうるのです。
でも、お客さまは、ここまで専門的なことを知っていることは少ないと思います。
もし、基礎について、説明が曖昧で不十分だったり、調査もせず「前に家が建っていたから大丈夫」と言ったりする業者がいれば、注意した方がよいでしょう。
怖いのは、人の足は治療すれば治りますが、建物の下で巨大な荷重を支え続ける「基礎」は、簡単に直せるものではないこと。
数十年経っても頑丈に建ち続けるためには、しっかり知識を持った専門家と相談しながら問題を予防していきましょう。