暮らすを考える知恵袋
2021.06.08 住みよさと設計のヒケツ
勝手口へのこだわり
こんにちは、営業担当の水野です!
仕事柄、様々な住宅会社の間取りや施工写真を見ることも多いのですが、最近の新築住宅には「勝手口がない」設計が多いようです。
勝手口を作らなくなった理由としては、ダイニングキッチン形式の採用やコストを抑えるためなどが考えられますが、これにはとても悲しくなってしまいました。
その訳は、これまで「勝手口」は日本の家になくてはならない存在だったはずだからです。
フォルムゼノマの家では、キッチンと繋がる動線に勝手口を設け、可能な限り広く充実した空間を作るように心がけています。
なぜ、ここまで勝手口にこだわるのか?
それは、勝手口がない家では、様々な現象が起こってしまうからです。
・ゴミ袋が家の片隅に溜まっている。
・雨の日の洗濯物はリビングで干すので、それを見ながらの食事タイムに。
・畑で取れた野菜を置く場所がなく、軒下に放置。
せっかく新しい家が完成しても、こんな生活じゃイヤですよね!
こうなるのは、勝手口の機能性が悪い、もしくは勝手口がないからだと思うのです。
「たかが勝手口」、「必要性の低い空間」と思われがちですが、実は次のようなたくさんの用途がある場所です。
●ゴミ捨ての動線
キッチンの横に勝手口があると、ゴミ捨てに便利です。
どんなに気を使っても、ゴミ袋が破けて生ごみが出てきた経験があると思います。
ゴミ袋を台所から、玄関まで持っていくのも一苦労!
だからこそ、「キッチンから3〜4歩で外へ出られる」勝手口動線が理想です。
また、缶などの回収日の少ないゴミを仮置きしておく「土間部分」を少し広めに計画しておくのもおすすめです。
●食品庫として利用
勝手口の土間部分に棚を付ければ、食品庫として活用できます。
なぜ土間部分に棚を作るかというと、家庭菜園で採れたおいしい野菜の保管場所に使えるからです。
畑から採ってきた野菜は、食卓に並ぶ前に泥落としや乾燥・保存などの必要があります。野菜から泥が落ちたとしても、土間ならお掃除がラクラクです♪
●ランドリールームとして活用
一般的には、浴室前の「洗面脱衣室」に洗濯機を設置することが多いですが、脱衣室に洗濯機を置くと湿気でホコリが溜まりやすく、掃除の手間がかかる、カビやすいといった欠点があります。
また、脱衣と洗濯の動作が被ってしまうとストレスに感じることも。
そこで、フォルムゼノマでは勝手口に洗濯機を置くことをおすすめしています。
さらに、この勝手口をサンルーム(物干し室)として活用すれば、さらに便利な空間に!
できるだけ間口を大きく取り、(人目が気になる時は高窓でもOK)物干竿と除湿機を備えておけば、雨や雪の日でもしっかり乾きます。
勝手口のある部屋を「快適に暮らすための空間」と考えると、設計する必要性が見えてきますね。
たった2〜3帖程度の空間ですが、これほど多くの用途で使用する場所は他にありません。
こんな話を聞いたら、「勝手口」を作りたくなってきませんでしたか?
もちろん、フォルムゼノマではただ勝手口を作るのではなく、多用途できる部屋だからこそ、綿密なお打ち合わせをした上でご提案をしています。
限られた空間の中で何を優先するかは、ご家族の価値観によって異なりますが、あなたの生活にとって本当に必要な空間について、一度考えてみてはいかがでしょうか?