暮らすを考える知恵袋
2022.08.07 パッシブデザイン
スノコの外壁「ファサードラタン」ってご存じですか?
こんにちは、フォルムゼノマです!
入道雲と緑がモリモリしてくる夏まっさかり。町を歩くと、庭木の向こうにサイディング張りやガルバリウム鋼板張りなど、色とりどりの外壁にも目が行きます。
弊社では、立山店の外壁に実験がてら『ファサードラタン』を採用してみました。 住宅の外壁が木製の板張りになって、スノコ状になっている外壁をこう呼びます。低燃費の住宅やパッシブハウスに使用されているのは、それなりの性能があるためですが、なにしろ「板」なので、富山の風土にどこまで通用するのか。 商品としてお薦めできるものかどうか。 実際に2014年に設置してから、2022年の現在までの実感を評価してみました。
【メリット】
1. 板の板の面と下地に隙間(通風層)があり、日差しが直接建物をジリジリしないので、外部の熱が内部に伝わりにくい、というはずだったが、体感温度が変わるくらい感動するほどのものでもない。
2. デザイン的な面白さがある。かっこいい。
3. 経年変化により色落ちするので、劣化ではない「味わい」が外観に生まれる。痛みもそれほどでもない。
4. 雨の日など、濡れると全体的に色が濃くなる。天候によって色が変わるのが面白い。
5. もし劣化しても瓦屋根のように、その部分だけの部品を簡単に取り換えられる。
【デメリット】
1. 外壁下地面の防水層が防水の決め手となる。裏面にジャンジャン水が回るので、下地面最下部の水切りに結構な配慮が必要。 立山店では暴風時にそこから雨漏りすることがある。 ほとんど全部濡れてる。
2. 軒の出と相性が悪かった。雨がかり面とそうでない面が隣り合うと汚く見える。 上部に軒を作るなら相当な深さがないと、下部だけ色が変わるような悲しい見た目になる。
…といったように、なにかと癖の強い外壁材です。分け隔てなく受け入れられる人にだけお勧めできます。 結果、薪ストーブのような趣味よりのイメージでしょうか。 様々な要素を理解して、それでも「好き」だから使いたい、そういった位置づけの外壁材です。もし依頼されたいという方には、後悔だけはされないよう事前のご説明をしっかりさせていただきますので、お願い致します。